自律神経は自分の意思とは関係なく働く神経で、24時間365日休むことなく動き続けています。
おもにホメオスタシスに関わっていて、体の内部や外部の環境が変化しても、その環境に応じて様々な機能を調節し、体の状態を一定に保つことが役割です。
自律神経の影響する範囲は広く、呼吸、体温、血圧、心拍、消化、代謝、内分泌、排泄など、無意識に制御される機能のほとんどに及びます。
したがって、自律神経の機能が低下すると、環境の変化に合わせて体の状態を調節できなくなり、原因不明の心身の不調や疲労が続くようになります。
しかし、自律神経の不調については、骨格の歪みが影響していることが多く、その問題を解消することで、不定愁訴の改善を図ることが可能です。
交感神経と副交感神経の位置
よくアクセルとブレーキに例えられるのですが、自律神経はおもに緊張時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経に分かれています。
骨格が歪むと自律神経の機能が低下するのは、それぞれの位置関係によるものです。
背骨の中には脳から下りてくる脊髄が通っています。緊張時に働く交感神経は、その脊髄に沿うように背骨の中を走って、各臓器に分布しています。
一方、リラックス時に働く副交感神経は、延髄と仙髄と呼ばれる場所にあり、ここから各臓器に分布しています。この延髄と仙髄の位置は、骨格でいうと首と骨盤にあたります。
そのため、骨格が歪むと自律神経を物理的に圧迫してしまい、つねにストレスの掛かった状態になるので、交感神経と副交感神経のバランスが取れなくなります。
自律神経のバランスが崩れると、ホメオスタシスが乱れて体の状態が安定しなくなりますから、原因のはっきりしない体の不調や、気分の浮き沈みに悩まされるようになります。
頚椎と骨盤には副交感神経が集まっている
とくに副交感神経は、延髄と仙髄に存在している関係上、骨格の歪みの影響を強く受けます。
延髄は上部頚椎と呼ばれる場所にあり、ちょうど頭と首の付け根にあたります。一方の仙髄は、骨盤を構成する仙骨という骨の中を通っています。
したがって、頚椎や骨盤に歪みが生じると、副交感神経が歪んだ骨に圧迫されるようになり、つねに物理的なストレスを受けた状態になってしまいます。
自律神経がストレスを受けていると、リラックス時に働く副交感神経の活動が弱くなり、緊張時に働く交感神経が強く活動するようになります。
交感神経優位の状態が続くと、リラックスするはずの場面でも脳と体が緊張状態のままになりますから、心身のバランスを保てなくなって様々な症状が現れます。
骨格の歪みを矯正して自律神経に掛かるストレスを解消しましょう
薬物療法や生活習慣の改善をおこなっても自律神経の機能が回復しないのは、骨格の歪みによる物理的なストレスから解放されていないからかもしれません。
その際は、骨格の歪みを矯正することで自律神経の圧迫が解除され、ホメオスタシスが正常に働き出すようになるので、精神や体の状態も安定するようになります。
とくに自律神経の不調に加えて、頭痛や肩こり、腰痛などの症状がある場合は、骨格が歪んでいる可能性が高いですから、いちど当院までご相談ください。