頭痛は大きく二つに分類されます。
注意しないといけないのは、脳疾患や感染症に由来する頭痛で、放置していると命に関わることもあります。いつもとは違う激しい頭痛、舌や手足のしびれを伴う頭痛を感じたら、すぐに病院を受診するようにしましょう。
もう一つは命には関わらない頭痛で、緊張型頭痛や片頭痛と呼ばれるものです。脳や血液の検査ではこれといった異常が見つからないものの、非常につらい症状のために日常生活に支障をきたすこともあります。
こちらの脳などに異常がみられない慢性的な頭痛に関しては、頚椎(首)の歪みが原因となっていることが多く、頚椎の歪みを矯正することで根本的な改善が可能です。
頚椎が歪むと頭痛が起こる理由
通常、頚椎を横から見たときは、前方に向かって弯曲しているのが正常な状態です。頭痛の観点から考えると、この弯曲には二つの意味があります。
ひとつは、首の上に乗っている頭の重量を受け止めるクッションとしての役割。もうひとつは、頭を体の中心で維持しておくバランサーとしての役割です。
つぎに、正面から頚椎を見たときも、頭を体の中心で支えておく必要があるので、首から頭までが一直線に揃っていなければなりません。
頚椎が歪んでこの構造が崩れると、自分で自分の頭を支えられなくなり、すぐに首の筋肉が疲労するようになります。
また、首には心臓から脳に血液を送る血管、自律神経や頭部を支配する神経など、重要な器官が集まっています。
頚椎の配列に問題が生じると、これらの血管や神経にも物理的に干渉するようになり、血行不良や神経の炎症が引き起こされて、それも頭痛の症状につながります。
緊張型頭痛に多いストレートネック
どのように頭痛の症状が出てくるかは、頚椎の歪み方によって異なります。
緊張型頭痛で首筋が詰まってきたり、頭の付け根が締め付けられるように痛む場合は、頚椎の弯曲がなくなってストレートネックになっていたり、酷いケースだとストレートネックを通り越して後ろに弯曲していることもあります。
頚椎の弯曲がなくなると緊張型頭痛が起こるのは、頭を体の中心で支えておくことができなくなり、首の筋肉に負担が掛かるからです。
人間の頭は重たくて、約6kgほどの重量があります。それを首の弯曲で荷重を分散しながら受け止め、バランスを取って体の中心で支えています。
しかし、弯曲がなくなると頭の重心が前方に移動してしまい、体の中心で支えることができなくなります。
とはいえ、直立二足歩行で生活している以上、頭を支えないと日常生活を送れませんから、背中から後頭部に付着する筋肉が過緊張して頭を後ろに引っ張り、何とかバランスを保ちます。
これで何とか頭を支えてはいるものの、起きている間は常に背中から後頭部の筋肉が緊張した状態になるため、すぐに筋肉の付着部に炎症を起こして頭痛や肩こりといった症状が現れます。
片頭痛に多い頚椎の捻じれ、傾き
片頭痛のようにズキズキと脈打つような痛みが強い場合は、正面から見たときの頚椎の配列が崩れ、首が捻じれていたり傾いていることが多いです。
首には脳に血液を送る椎骨動脈が通っているのですが、頚椎が歪むことで血管を圧迫してしまいます。すると、圧迫している骨が動脈の拍動と干渉するようになって、血管が脈打つたびにズキズキとした痛みを感じるようになります。
また、首には自律神経、三叉神経、後頭神経といった重要な神経も集まっています。頚椎が歪むとそれらの神経も圧迫してしまうため、吐き気や目がチカチカするなど、神経由来の症状を伴うことも珍しくはありません。
なお、緊張型頭痛と片頭痛はどちらか一つとは限らないので、頚椎の歪みが複合していれば両方の頭痛を併発することもあります。
頚椎の歪みを矯正して頭痛の原因を取り除く
慢性的な頭痛を根本的に改善したいのであれば、その場しのぎ的に症状に対処するのではなく、症状を引き起こしている原因の方を取り除かなければなりません。
たしかにマッサージを受けて筋肉をほぐしたり、薬を飲んで横になっていれば、頭痛の症状は軽減するでしょう。
ただ、それでは頚椎の歪みという根本的な原因が何も変わっていないため、仕事や勉強、家事で疲労が溜まるとすぐにまた頭が痛くなってきます。
しかし、頚椎の歪みを矯正すれば構造的な問題が取り除けますから、首の筋肉が過緊張しなくても頭を支えられるようになり、血管や神経の圧迫も解消されるので、結果としてそれが原因となっていた頭痛も出なくなります。
まとめ
頭痛は単に症状が辛いというだけではなく、日常生活にも支障をきたす非常に厄介な問題です。
仕事や家事を休めないからといって、薬を飲んで無理に頑張っても能率は悪いでしょうし、頭が痛いからといって仕方なく、仕事終わりや休みの日に寝込んでいる時間はとてももったいないです。
しかし、その頭痛の原因は頚椎の歪みかもしれません。慢性的な頭痛でお困りであれば、いちど当院までご相談ください。