薬を止めたい人のための緊張型頭痛の原因と治し方

夕方になると頭重感を感じるようになり、頭から首が締め付けられるような緊張型頭痛。

頭が痛くなるたびに薬を飲み、症状が治まるのを待つのは憂鬱ですよね。

しかし、緊張型頭痛には頚椎の歪みという明確な原因がありますので、その問題を取り除くことで頭痛は出てこなくなります。

緊張型頭痛を根本的に改善して、毎日の時間を有意義に使いたいという人は、この記事を参考にしてみてください。

緊張型頭痛の特徴

国際頭痛学会が公開している国際頭痛分類によると、緊張型頭痛は一次性頭痛といって、命に関わらない頭痛に分類されます。

緊張型頭痛は一次性頭痛のなかでも最も多く、日本人の約二割が悩まされているとも言われています。

その緊張型頭痛には以下の特徴があります。

  • 頭痛の強さは軽~中度
  • 日常生活に大きな支障をきたすことは少ない
  • 持続的に頭を締め付けるような痛みや圧迫感、頭重感が特徴的な症状
  • 肩こりやめまいを伴うことがある
  • 一日中頭痛が続き、とくに夕方になると悪化する傾向にある

このような特徴を持った頭痛のうちで、脳疾患などがみられない場合は、緊張型頭痛と診断されます。

参考サイト:日本頭痛学会

頭を締め付けるほどの筋緊張の理由を考える

緊張型頭痛は読んで字のごとく、頭部を支える筋肉の緊張が生じることで症状が現れます。

したがって、デスクワークなどによる長時間のうつむき姿勢、ストレス、運動不足などが頭痛の誘因になると考えられています。

また、頭痛自体がストレスとなって筋肉がさらに緊張し、首の血管を圧迫して血行が悪くなると、緊張型頭痛が慢性化するという悪循環に陥ります。

後頭下筋,頭を支える筋肉

確かにそれはその通りでしょう。

しかし、緊張型頭痛を根本的に改善するために、もう一歩踏み込んで考えなければならないのは、「なぜあなただけ頭が痛くなるほど筋肉が緊張するのか?」です。

あなただけいつも頭が痛くなり、同じような仕事をしているはずの同僚は何ともないのはなぜでしょうか? 体質だから?

じつはこの違いを生んでいるのが頚椎の歪みなのです。

緊張型頭痛の原因

頚椎が歪むと首の筋肉が緊張するのは、その構造に理由があります。

人間は現存する生物で唯一、直立二足歩行で活動をしています。この構造では、両手を自由に使えるというメリットと引き換えに、頭を体のいちばん高い場所に置いて、首だけで支え続ける必要が出てきます。

人間の頭の重さは成人の平均で約6kgとされていますから、それをバランスの悪い状態で支え続けなければならず、首にはもともと負担が掛かりやすい構造になっています。

6kgというとスイカと同じくらいの重さがありますので、それを棒の上にくっつけて一日中支えていると考えると、どれほど無茶な構造をしているのかが分かるのではないでしょうか。

頚椎

しかし、神様も馬鹿ではないので、人間の首には自分の頭を支えるための工夫がされています。

通常、頚椎を横から見た場合は、顔の方に向かって前弯していて、首全体がアーチ構造になっています。

アーチ構造は吊り橋などにも使われる耐荷重に優れた構造で、これで首に掛かる頭の荷重を分散して受け止めるようになっています。

このアーチ構造が正常に機能しているうちは良いのですが、頚椎が歪んで弯曲がなくなると、自分の頭の荷重を受け止めきれなくなって、頭を支えている筋肉に負担が掛かるので、緊張が強くなり頭痛が出てくるようになります。

ストレートネックと頭重感の関係

頚椎は椎骨というブロック状の骨が七個つながってできています。首の弯曲はこの七つの椎骨それぞれに、頭の重みを均等に分散するはたらきがあります。

そこで頚椎のアーチがなくなると頭重を分散できなくなり、首にまともに荷重が掛かることになるので、頭を支えるための負担が増します。

ただし、首に想定外の負担が掛かったとしても、直立二足歩行で生活をしている限りは、頭を支えていないと活動ができません。

頚椎側面,レントゲン

街を歩いていても見たことがないですよね。自分の頭を支えられなくなって、首の上から頭が落ちてしまっている人。

それはなぜかというと、首の周囲にある頭を支えるための筋肉がいつも以上に緊張して、コルセットのように首を固めることで、なんとか頭の位置を保っているからです。

これでなんとか頭を支えるものの、つねに首の筋肉が過緊張した状態になるため、首や筋肉の付着部である後頭部が締め付けられて痛むようになります。

後頭部の筋肉の負担が増加する理由

頚椎の弯曲には頭の荷重を分散することに加えて、頭を体の中心に置いておくというもうひとつの役割があります。

そこで頚椎の弯曲がなくなると、頭を体の中心で支えておくことができなくなり、顔を前に突き出したような姿勢になってしまいます。

この状態になると、頭の位置が前に出ていってしまうので、頭の重心も前方に移動してしまいます。

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そのままにしておくと重力で頭が前に落ちて、顔が下を向いてしまいますから、なんとかして顔を前に向けておかないと、やはり日常生活を送ることができなくなってしまいます。

そこではたらくのが後頭下筋といって、後頭部と首にまたがって付着する筋肉です。

後頭下筋は頭を後ろに引いて直立を保つ筋肉なのですが、頭の重心が前に移動してしまうと、いつも以上に頑張らないと直立を保っていられなくなるので、緊張が非常に強くなります。

後頭部の神経,後頭下神経,大後頭神経

さらに、後頭下筋の近くには後頭下神経や、後頭部の感覚を支配する大後頭神経といった神経が走行しています。

後頭下筋の緊張が強くなると、後頭下神経や大後頭神経を圧迫するようになりますから、首の付け根の締め付けが引き金となって、後頭部全体に頭痛が広がっていくようになります。

うつむくと首に掛かる負担は三倍

頚椎が歪んで起こる問題はまだあります。

うつむいて手元のスマホやパソコンを操作するような姿勢をとると、頭の重心がさらに前にずれていくので、首に掛かる負担が大幅に増加します。

具体的には、うつむいて首が30度前傾すると、首に掛かる負担は三倍になると言われています。

あなたの頭の重さが6kgだとしたら、18kg分の負担が掛かるということですね。

パソコンを操作する男性

たとえ負担が三倍になったとしても、首は頭を支えないといけませんから、頭を後ろに引いておく後頭下筋の負担はその分だけ増加します。

頚椎が歪んで頭の重心が前にずれた状態では、パソコンやスマホを操作するためにうつむくと、30度くらいはすぐに前傾してしまいます。

その状態で朝から仕事でパソコンに向かっていたら、夕方になると首の筋肉の疲労が限界を迎えて、頭が痛くなってくるのも当たり前ですね。

参考サイト:藤田医科大学

緊張型頭痛の根本的な治し方

このような緊張型頭痛に対して、薬、ストレッチ、マッサージなどを繰り返していても、頚椎の弯曲が戻っていなければ、首に掛かる負担は変わっていません。

したがって緊張型頭痛が根本的に改善することもないでしょう。

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しかし、頚椎の歪みを矯正すれば、弯曲が回復して本来の構造を取り戻すことができます。

頚椎の弯曲が元に戻れば、首に掛かる頭の重みを分散できるようになりますし、頭の重心が体の中心に戻れば、首の筋肉が過緊張して頭を支える必要もなくなります。

このようにして、首に掛かる負担が適正な範囲に戻れば、頭を締め付けるような頭痛も出てこなくなるでしょう。

緊張型頭痛のまとめ

ネットで少しでも調べたことがあれば誰だって、「緊張型頭痛の誘因は頭を支える筋肉が過緊張するからだ」ということは知っています。

しかし、その緊張に対して対症療法を繰り返しているだけでは、根本的な改善にはなりません。

御守りのように肌身離さず持っている頭痛薬を手放すためには、もう一歩踏み込んで「なぜ頭が痛くなるほど筋肉が緊張するのか?」ということを考えて、その問題を解消する必要があります。

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オフィス カロマ

レントゲンを用いた画像分析に基づいて、骨格の歪みを取り除いていく最先端骨格矯正を専門におこなっています。
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