熱があるわけでもないのに、お子様が頻繁に頭痛を訴えると心配になりますよね。
頭痛は重篤な疾患の兆候なこともありますから、まずは病院で検査を受けるべきでしょう。
幸いなことに脳の検査を受けても異常が見られなければ、つぎに頚椎の歪みを調べるようにしてください。
子どもの頭痛も大人と同じように、頚椎の歪みが原因となっていることが多いからです。
子どもの頭痛の原因
子どもの骨格は成長途中で未完成だとはいえ、基本的には成人と同じ構造をしていますので、首には脳を栄養する血管や、頭部を支配する神経が存在しています。
頚椎が歪むことでそれらの血管や神経が物理的に圧迫されますから、その歪み方に応じた頭痛の症状が出てきます。
子どもでも骨格が歪んでいることは珍しくはありませんので、発熱している訳でもないのに頻繁に頭痛を訴えるようであれば、頚椎の歪みを疑ってみましょう。
嘔吐をともなう片頭痛
子どもでも大人と同じように、片頭痛の症状を訴えることがあり、悪心、嘔吐、ズキズキと疼くような頭痛が特徴的な症状です。
このタイプの頭痛は「ズキズキとずっと続く片頭痛の原因|吐き気がするほどつらい症状の治し方」という記事でくわしく解説しているのですが、頚椎が歪むことによって三叉神経や延髄、椎骨動脈が圧迫されて起こります。
ここでも簡単に解説すると、通常、頚椎を正面から見たときは、一列に揃っているのが正常な状態です。
そこで上のレントゲンのように歪んでしまうと、脳に血液を送るための椎骨動脈や、頭部を支配する三叉神経、自律神経の中枢である延髄が圧迫されてしまいます。
とくに、延髄には嘔吐中枢が存在していますから、ここが歪んだ骨に刺激されると嘔吐反射が起こって、吐き気がしてもどすことがあります。
片頭痛は自律神経の影響も大きいので、学校でのストレスや疲労が溜まったとき、睡眠不足の際に起こることが多いでしょうか。
頭を締め付けられる緊張型頭痛
小学校に上がる年齢になると、緊張型頭痛を訴える子どもが増えてきます。
このタイプの頭痛は、「薬を止めたい人のための緊張型頭痛の原因と治し方」という記事で解説しているのですが、頚椎が歪んで頭の重心がずれてしまい、首の筋肉に負担が掛かることで起こります。
こちらも簡単に解説をしておくと、頚椎を横から見た際は、顔の方に前弯しているのが正常な形で、このカーブの役割は首に掛かる頭の荷重を分散して、体の中心でバランスよく支えることです。
そこで首のカーブが崩れると、首に掛かる荷重を分散できなくなるだけでなく、頭の重心が前方に移動してしまいます。
その重心がずれた頭を支えるために、後頭部から背中にかけての筋肉がつねに過緊張していなければならないため、筋肉の緊張が強くなってくると付着部である後頭部を締め付けるような頭痛が出ます。
とくに下を向いている姿勢は首に負担が掛かるのですが、学校や塾での勉強、スマホやゲーム機の使用など、子どもは意外と机や手元を見ている時間が長いんですよね。
子どもの頭痛の改善方法
お子様が頻繁に頭痛を訴えるようでしたら、いちどレントゲンで骨格の歪みを確認してください。
レントゲン分析の結果、頭痛の症状と頚椎の歪みが関連しているようでしたら、その歪みを矯正していくことで根本的な改善が可能です。
とくに骨格の歪みは、歪んでから矯正を始めるまでのタイムラグが短い方が、骨の変形も少なく早くきれいに治ります。
たとえば、出産時に生じた歪みなら、20歳の時点で20年間歪んだままですので、年齢のわりに骨の変形が進行してしまっている、という症例が実際にあります。
お子様の残りの人生の時間を考えて、できるだけきれいな骨格を長く維持しておこうと思うと、できれば成長期が終わるまでには矯正をしておくのが理想ですね。
まとめ
基本的に、大人でも子どもでも頭痛の発生機序は同じで、子どもの頚椎が歪んでいることも珍しいことではありません。
また、歪んでいるのなら矯正をする以外に改善の方法がないのも同じで、成長とともに改善するということもなく、歪んだ骨格はそのまま成長して歪んだまま完成してしまいます。
骨格が歪んだまま大人になると頭痛だけではなく、将来的には首の痛みや腰痛、椎間板ヘルニアなど、さまざまな症状に悩まされる可能性が高くなります。
ですので、お子様が頻繁に頭痛を訴えるようでしたら、いちどレントゲンを撮って骨格の歪みを確認するようにしてください。