肩こりは姿勢や仕事のせいではなく、骨格の歪みが原因だといえる理由と根拠

厚生労働省の国民生活調査によると、肩こりに悩む人の数は全国で1700万人にもなるそうです。

もはや現代の国民病とも呼べる肩こりですが、実際は仕事や姿勢だけの問題ではなく、骨格の歪みが影響しています。

肩こりをマッサージなどの対症療法でごまかしていると、いずれ骨格の歪みが悪化して頚椎ヘルニアなどに進行することもありますから、できるだけ早く原因を取り除くようにしましょう。

肩に負担の掛かりやすい人体の構造

骨格が歪むと肩がこりやすいのは、人体の構造に問題があります。

人間は現存する生物で唯一、直立二足歩行で生活をしています。この形態は両手を自由に使えるなどのメリットと引き換えに、活動している間はずっと背骨を地面に対して垂直に立てて、その上に頭を乗せて支え続けなければならなくなります。

人間は脳が大きいせいで頭が重たく、成人の平均で約6kgの重量があるとされます。それを横になって寝ている時間以外は、立っていても、座っていても、首の上に乗せて支えないといけません。

頚椎のカーブ

ですから、人間の骨格はそもそも首や肩に負担が掛かりやすい、という構造的なデメリットがあります。

それでも骨格の配列が正常に保たれていれば、自分の頭を支えられるようにはなっています。

しかし、骨格が歪んでしまうと、ただでさえ負担が掛かりやすい構造なのに、さらにバランスが崩れてしまうため、首や肩に掛かる負担がより大きくなり、肩こりの症状が出てくるようになります。

首が歪むと頭の位置がずれる

人間の首を横から見ると、前方にカーブしているのが正常な状態です。

頚椎のカーブにはさまざまな役割があるのですが、肩こりという観点から考えたときに、頭を体の中心で支えるということが挙げられます。

そこで頚椎が歪んでカーブがなくなると、頭を体の中心で支えることができなくなり、重心が前方に移動してしまいます。

頭の重心が前方に移動したとしても、直立二足歩行で生活をしている以上、活動中は頭を支えないわけにはいきません。

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それでどうするかというと、首の後面から肩、背中の筋肉を過緊張させて、前方に移動してしまった頭を後ろに引っ張り、なんとかバランスを保とうとします。

これでなんとかバランスは取れるものの、起きている間は立っていても、座っていても、首から背中の筋肉が緊張しっぱなしになるため、筋肉の柔軟性が失われて血行も悪くなり、肩こりの症状が出てきます。

デスクワークで首の負担は3倍に

首や肩に掛かる負担は、首が傾く角度によっても違うことが分かっています。

たとえば、正常な状態を基準とした場合、首が15度前傾すると頭の重心がずれて、首に掛かる負担は二倍になると言われています。

これが仮に、首が30度前傾した場合は、首に掛かる負担は三倍になります。

正常な状態であれば頭の重さ6kgを支えるだけでよかったものが、頚椎が歪んで頭の重心が前方に移動すると、15度の前傾で二倍の12㎏、30度の前傾になると三倍の18㎏の重量を支えておかなければなりません。

姿勢ごとの首に掛かる負担

頚椎が歪めば15度くらいの前傾はすぐですし、その状態でスマホやパソコンの操作、家事などでうつむくと、30度くらいは簡単に前傾してしまいます。

肩こりの強い患者さんは、「頭を支えているのがつらい」と訴えられることがおおいのですが、12kgや18kgといえば幼稚園児くらいの重量があります。

それを手も使わずに首だけで支えていると考えると、頭を支えるのがつらいのは当然ですし、肩がこるのも当然と言えるのではないでしょうか。

頚椎の歪みを矯正して頭の重心を戻しましょう

しつこい肩こりの症状に関しては、頚椎の歪みを矯正して、頭の重心を戻すことで根本的な改善が可能です。

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失われてしまった首のカーブを元に戻せば、頭の位置が体の中心に戻って来るので、再びバランスよく支えられるようになって、首や肩の筋肉が過緊張して支える必要がなくなるからです。

こういった骨格構造の問題を無視して、マッサージで筋肉をほぐしていても、起き上がれば頭を支えるためにまた筋肉が過緊張しはじめるので、イタチごっこがいつまでも続くだけですね。

肩こりは体の中の異常を知らせるサイン

肩こりは体の中で異常が発生していることを知らせるサインのようなもので、脳や心臓に問題がみられなければ、まず間違いなく頚椎が歪んでいることが原因です。

肩こりだけならマッサージを受けてお風呂にでもつかれば、筋肉がほぐれていくらか症状は楽になるかもしれません。

それよりも問題になるのは、体の中で骨格の歪みが発生していると、その場しのぎの対症療法を繰り返している間に、少しずつ悪化していってしまうことです。

骨棘が出来ているレントゲン

その結果、変形性頚椎症や頚椎ヘルニアといった、さらに強い症状や腕のしびれをともなう疾患へと進行してしまうことがあります。

肩こりと頚椎症や頚椎ヘルニアを別物だと思っている方が多いのですが、あれは肩こりが悪化していった延長上に存在するものですから、症状が軽度なうちに治療をはじめるようにしてください。

まとめ

人間の体の構造上、首や肩には負担が掛かりやすくなっています。

とくに現代人は、仕事、家事、勉強、スマホ、ゲームなどで手元を見ている時間が長く、首を前傾している姿勢が多くなっていますから、首や肩に負担が掛かるのも仕方がないと言えるでしょう。

しかし、慢性的な肩こりがいつまでも改善しないという場合は、骨格が歪んで首に掛かる負担がさらに増えていることが考えられます。

肩こりを抱えたままでは、心身ともにストレスがかかって日常のパフォーマンスは低下しますし、将来的には頚椎症や頚椎ヘルニアのリスクを伴います。

ですので、つらい肩こりでお困りの場合は、すぐに骨格の歪みを確認するようにしてください。

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オフィス カロマ

レントゲンを用いた画像分析に基づいて、骨格の歪みを取り除いていく最先端骨格矯正を専門におこなっています。
当サイトでは、骨格が歪むことで体に起こる問題や症状について解説しています。