骨のすき間が狭くなるのを年齢のせいにして諦めてはいけない理由

首や腰が痛くなって病院でレントゲンを撮ったときに、「骨のすき間が狭くなっている」と言われた経験はないでしょうか?

その際に、「年齢のせい」だと言われてしまうと、仕方がないと諦めてしまう人もいるかもしれません。

しかし、骨のすき間が狭くなってしまうのは年齢だけの問題というわけではなく、骨格の歪みが影響していることが多々あります。

そこでこの記事では、骨格が歪むと骨のすき間が狭くなる理由について解説していきます。

骨のすき間とは?

人間の背骨は一本の骨でできている訳ではなく、椎骨というブロック状の骨が24個積み重なってできています。

その椎骨と椎骨の間に収まっているのが椎間板と呼ばれるクッション組織で、歩行の際などに背骨に掛かる衝撃を吸収しています。

その椎間板の成分は約80%が水分で占められています。

背骨を横から見たイラスト

レントゲンには骨や歯のような硬いものしか写りませんから、ほとんど水分で構成されている椎間板は、レントゲンを撮ってもX線が透過されて何も写りません。

そうすると、首や腰のレントゲンを撮ったときは骨が白く写り、椎間板は写らないので骨と骨の間にすき間が空いているように見えます。

本当に骨と骨の間にすき間が空いている訳ではなく、写っていないだけで椎間板があるのですが、分かりやすいように「骨のすき間」というように言っています。

骨のすき間が狭くなるのはなぜ?

骨のすき間が狭くなるのは、椎間板の水分量の減少によるものです。

人間の体の60%は水分だと言われますが、実際は年齢ごとにわずかな違いがあります。

新生児で75%、4〜5歳児で70%、成人女性が50%、成人男性が60%、高齢者は50%くらいと、年齢を重ねるごとに体内の水分量が減少していきます。

体内の水分量

これは椎間板の水分量も例外ではありませんから、年齢を重ねるごとに椎間板の水分が減っていって、弾力性や柔軟性が低下していきます。

椎間板の水分が減って弾力性が低下すると、厚みがなくなって薄くなりますので、レントゲンを撮ったときに骨のすき間が狭く写るわけですね。

年齢が進むことを止めることはできないので、椎間板の水分量が減って骨のすき間が狭くなるのは、自然な生理現象として仕方がないと言えるかもしれません。

しかし、問題は一部の骨のすき間だけが極端に狭くなって、首の痛みや腰痛などの症状が出ている場合で、このケースでは骨格の歪みが影響していることが多く見られます。

一部の骨のすき間だけが狭くなる理由

骨のすき間が狭くなっているときは、どこが狭くなっているかを確認することが重要です。

すべての骨のすき間が均等に狭くなっているのなら、加齢による椎間板の変性の影響が大きいでしょう。

しかし、ほかの骨のすき間は十分に空いているのに、一部だけが極端に狭くなっている場合は、骨格の歪みが影響している可能性が高いです。

骨格が歪むと一部の骨のすき間だけが狭くなるのは、背骨の持つ機能が失われてしまうからです。

脊柱,生理的弯曲,S字カーブ

背骨を横から見たときは、なだらかなS字カーブをしているのが正常な形です。

このカーブにはショックアブソーバーとしての機能があって、椎間板と協力しながら歩行時などに背骨に加わる衝撃を吸収したり、重力の影響で首や腰に掛かる自分の体重を分散するはたらきがあります。

そこで骨格が歪んでしまうと、背骨に掛かる衝撃や負担を逃せなくなってしまいます。

歪んでいる骨に負担が集中する

骨格が歪んで背骨に掛かる衝撃や負担を逃せなくなることの問題は、歪んでいる骨に負担が集中してしまうことです。

負担が集中してしまう骨は、他と比べて圧力が高まりやすいですから、その関節にある椎間板には他より高い圧力が掛かることになります。

そうすると、負担が掛かっている椎間板だけ水分が多く抜けていき、他と比べて厚みが薄くなりますので、レントゲンを撮ったときにそこだけすき間が狭く写ります。

一部の骨だけ変形している頚椎のレントゲン

なお、関節に掛かる圧力が高まると、椎間板が正常な位置から押し出されてヘルニアを起こし、首や腰から出ている神経を圧迫することがあります。

レントゲンやMRIを撮ったときに骨のすき間が狭くなっていると、椎間板ヘルニアと診断されることが多いのはそのためですね。

骨のすき間が狭くなっていると変形しやすい

骨のすき間が狭くなっていると、骨が変形しやすいのも問題でしょう。

椎間板は骨に掛かる衝撃を吸収するクッションの役割をしていますから、そのクッションが薄くなるということは、骨に掛かる衝撃を吸収する力が弱くなります。

その状態で日常生活を送っていると、骨に大きな負担が掛かり続けることになりますので、少しずつ骨が変形してしまいます。

骨棘が形成された頚椎のレントゲン
骨棘が形成された腰椎のレントゲン

骨が変形すると骨棘こつきょくと呼ばれるトゲが形成されることがあり、これが脊髄や神経に当たると強い痛みやしびれを出すようになります。

変形性頚椎症や変形性腰椎症と呼ばれるものですが、これらも骨格の歪みが原因で関節に負担が掛かり、骨が変形して神経を圧迫していることが多いのです。

骨の変形が怖い二つの理由

骨の変形が怖い理由は二つあります。

  • 骨に掛かっている負担を取り除かない限り変形し続ける
  • 骨の変形は不可逆なので、いちど形が変わると元には戻らない

ということです。

しかも骨の変形が進行し続けると、大きくなりすぎた骨棘が隣の骨まで届き、骨同士が癒合してしまうことがあります。

癒合した頚椎のレントゲン
骨のすき間がなくなった腰のレントゲン

骨の変形は元には戻りませんから、癒合してしまった骨を元に戻す方法もありません。

癒合した骨を矯正しようにも、くっついていて動きませんから、「悪い場所は分かったけど治す方法がない」という状態になるからです。

骨棘が神経を圧迫して日常生活に支障が出てきたときに、骨が癒合していると手術以外の選択肢がなくなってしまうのですが、手術をしても症状が改善するとは限りません。

目の前の症状だけでなく、将来的な健康まで長期的に考えて、骨が癒合する前に対処するようにしましょう。

まとめ

骨のすき間が狭くなることに、年齢の影響が全くないとは言いません。

しかし、一部の骨のすき間だけが他と比べて極端に狭い場合は、骨格の歪みによってその関節や椎間板に負担が集中している可能性が高いでしょう。

椎間板や骨の変性も一朝一夕で進むわけではありませんから、ある程度の年齢になった頃に何かしらの症状が出てくるようになって、病院でレントゲンを撮ったときに自覚するようになるだけです。

骨のすき間が狭くなっているのを年齢のせいにして諦めてしまったら、あとは手術になるのを待つだけですので早めに対処するようにしましょう。

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オフィス カロマ

レントゲンを用いた画像分析に基づいて、骨格の歪みを取り除いていく最先端骨格矯正を専門におこなっています。
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